1950年、27歳の遠藤周作はフランス現代カトリック文学を学ぶため戦後初の留学生としてフランスに渡った。
本書は、留学期間中、フランスの学生生活について日本に書き送った原稿をまとめたエッセイ集である。本書収録の「フランスにおける異国の学生たち」、「ボルドオ」「テレーズの影を追って」は、一九五一年三月のアルデッシュ旅行、八月のボルドー旅行を題材にしており、特に重要な意味を持つ。著者の若々しい感受性とみずみずしい文体を感じさせる幻のデビュー作品が復刊。
解説は、作家・三田文学編集長の加藤宗哉。巻末には、遠藤周作年譜を収録。